腱引き

腱引き

日本古来より伝承された、筋肉を調整する施術です。

 

腱や筋肉は運動、習慣、外から受けた衝撃で、収まっていた位置から外れたりねじれたり過度に緊縮します。

定位置にない筋肉は、普段より遠回りして骨を引っ張るので関節にも負担がかかります。

そのため全身の骨格も歪み、故障をもたらす原因となります。

また、過度に緊張した筋肉が神経圧迫し、腰痛など身体各部に激しい痛みを引き起こす原因にもなります。

 

この問題が生じた筋(すじ)を、引くという操作により調整するため、部位によっては激痛を伴いますが、特にギックリ腰などに効果が高く、短時間での回復が見込めます。


適応範囲

腰痛、ギックリ腰・肩こり・肘・膝の屈伸不全・四十肩・五十肩、顎関節の開放不全・股関節開放不全・坐骨神経痛、顔面神経痛、肋間神経痛など神経痛・バネ指等の関節不全・全身倦怠・寝違え・むちうち症・自律神経失調症・など

効果がありすぎて失伝

腱引きは柔術の伝承と深く関わっていたと考えられており、流派は明確でありませんが(柳生心眼流の流派ではないかと言われています)、鍛錬中の当身、関節技などで痛めた筋肉や腱を復帰するために編み出されたとされています。

 

術者が武者修行などで全国を行脚し、軒を借りたお礼に施術を行っていたと伝えられています。

 

明治以降、柔術の衰退と術者の定住によって、この技による施術を周辺住民に施していたのですが、完治率が高く、周辺の患者がいなくなるため、この技だけでの生活の継続が困難となり衰退してしまったと思われます。